内向的な人のための、海外サバイバル術

Photo by Xtra, Inc. on Unsplash 海外生活での人間関係。

こんにちは、ころっちです。

ころっち。カナダ、オンタリオ州在住。現地の大学院をでて、英語onlyの環境で15年以上、医療ソーシャルワーカーとして働いています。

海外生活の憂鬱や孤独について、別の記事で少し書きました。

わたしも、ながびくコロナ禍で、ちょっと凹み気味だったようです。ですが、本音を言えば、「外にでない」ことの大義名分が与えられたこの4か月、すこしばかり気が楽だったのも、たしか。

もともと内向的な人なので、他人とのコミュニケーションにも、いちいちある程度のストレスは感じます。

それがたとえ、気の置けない仲間との、すごく楽しい集まりだったとしてもです。

ああ、楽しかった!と思うと同時に、何か頭が疲労しているような感覚と、どこか満たされないような気持になり、そんな自分に嫌悪感を抱くこともままあります。

と、いうわけで・・・本日は、

内向的な人のための、海外サバイバル術

脳科学的にも、内向性と外向性というのは持って生まれた違いであり、内向的な人間が、ひととのコミュニケーションにおいて、ストレスを感じてしまうのは、仕方のないことであることがあきらかになっています。

内向的」というと、ネガティブなイメージが付きまといがちですが、最近では「内向的」な人間の長所も注目されています。これについては、後半で詳しくお話しします!

内向的な人間が北米に住むとどうなるか?

一般的に、北米では、日本以上に、外向的であることが好ましい、あるいは外向的 =能力が高い という風にとらえられがちです。

そのため、内向的な人間が海外へ出ると、ストレスもまた倍増。「外向的である」ふりをしている内向的な人は、実は欧米にも多いといわれています。

また、まわりからの評価云々はさておき、日々のコミュニケーションでいちいち疲れているのでは、精神的にも身体的にも大変ですよね。

なぜ内向的な人間が海外へ出るのか?

自分磨きをしたい。自分を試したい。

内向的な人間は、文字通り、注意が外でなく内に向きがちです。そのため、海外へ出る目的も、究極的には、海外の人々や場所への直接の興味よりも、自分がそこから何を得るのか、どういう経験を積んでどう変われるのかに注意が向くことがおおいと思われます。

日本にある、既存の「人間関係」から脱出したい。

日本の文化は全体主義的で、社会学的にはhigh contextというい方をします。社会における一人一人の役割、他人とのコミュニケーションの仕方、暗黙のルールなどが大きな意味を持つ社会。すなわち、目に見えない規制や常識が多くあり、これに従わないとすぐさま社会的なペナルティをうけてしまいます。これの対角にあるのが個人主義、low context な文化や社会です。北米はこれにあたります。

日本において、対人関係に違和感を抱いている人は、low contextな社会にあこがれを抱く確率も高いのではないかというのが筆者の意見です。日本からみると、北米は「自由」にみえませんか?

たしかに「自由」な部分も多いのですが、内向的な人間にとって暮らしやすい土壌であるかどうかは、また別問題であることは、先に書きました。

内向的な人が、海外でうまくやっていく方法

まずは、サバイバル戦略に役立てることができる、内向的な人間の特徴を整理してみよう

内向的な人間は、外向的な人間にくらべ、人間関係やその他の環境からもたらされる刺激に非常に敏感であるといわれています。そのため、刺激の量が多いと受け取る情報も多く、疲れてしまうのです。

また、内向的な人は、受け取った情報を吟味し分析しようとする傾向が強いのです。

また、内向的な人は、海外での生活に慣れるのに時間がかかる可能性があります。

外向的な人は、外からの刺激に対し、反射的に反応する大脳辺縁系が発達しています。それに対し、内向的な人は、前頭葉や偏桃体が発達しており、外的刺激に対して、リスク回避を含めたアウトカムの評価などの思考経路が働きます。

したがって、外向的な人は、とりあえずの環境の変化にも影響されにくい = 順応しやすい のに対し、内向的な人は、新しい環境から受け取る様々な情報をまずは整理・評価しようと脳が試みるので、はじめは、どうしたらいいかとっさにわからなくなってしまうこともあるのです。

ただ、内向的な人は、観察能力・情報収集能力・情報分析能力にたけているので、一度自分なりの「処世術」を身に着けると、人間関係もストラテジックに構築することができる。

また、自己観察(セルフモニタリング)にも優れているので、人間関係や組織の中での自分というものを、客観的に評価することが得意です。

また、内向的な人は、人の話をきちんと聞くことができます。すぐに気の利いた反応をするのは得意ではありませんし、グループの中での会話にテンポよく乗ったりするのは苦手ですが、人の話の内容の多層性を理解し、自分の経験に照らして、共感する能力は外向的な人よりも発達しているといえます。

語学の習得も、自分の長所や短所を客観的にみることができるので、長期的にみると◎。

人の話し方をまねるのが得意なので、シャドーイングも得意。発音の矯正も、それほど苦にならない場合が多いでしょう。

北米で、内向的な人間が、楽に生きながら成功するための戦略

  • 内向的であることは、まったくもって、悪いことではありません。自分の内向性を受け入れよう。内向的な人が社会の中で苦しむ一番の原因は、「内向性」がネガティブにとらえられていることです。それは、社会から、外側からの評価という面でももちろんですが、自己評価への影響という点で我々を傷つけることが多くあります。
  • 日々の経験や発見、小さな成功を、具体的かつ意識的に認識しよう
  • ある程度の自虐的なユーモアは内向的な人間の精神安定剤になる
  • ロールモデルをみつけ、真似をしてみよう。内向的な人間でも、社交的にふるまいたい欲求がある場合、また仕事などでそういった行動が要求される場合には、「お手本」となる人を見つけることがキー。お手本は一人である必要はありません。性格や話術より、行動や気配りの仕方、人との距離の取り方などに注目してみてください。
  • 「不安感」をコントロールするすべを身に着けよう 不安感は内向的な人間の一番の敵だといえます。不安感が高いと、思考が阻害され、状況判断や情報収集にも支障をきたし、疲労感も増してしまいます。mindfulness meditation など、認知行動療法にもとづいた方法やモデルがいろいろ紹介されています。これはまた次の機会にご紹介しますね!

内向的な著名人

DaiGO

言わずと知れたメンタリスト。下記リンクで「内向的な人の才能を開花させる心理学」他を紹介しています。

https://daigoblog.jp/introvert-flowering/

エマ・ワトソン

美貌と知性を併せ持ったイギリス人女優・活動家。

ローザ・パークス

50年代、アメリカの公民権運動のきかっけとなったアラバマモンゴメリーのバスボイコット運動。素行が良く、きちんとした、内向的な女性であったローザが、毅然とした、落ち着いた態度で、バスの中で白人に席を譲るのを拒否して逮捕された。これに触発されたキング牧師などの指導の下にバスボイコット運動が始まることになった。もしローザが、外向的で、話術にたけた人物であったら、人々の共感をよぶことはなかったかもしれないといわれている。

ビル・ゲイツ

アルバート・アインシュタイン

マハトマ・ガンディー

お勧めの本

スーザン・ケインの “Quiet”

Quiet: The Power of Introverts in a World That Can't Stop Talking - Google Search

たまたま図書館で手に取って読んだのが、筆者が内向性について深く考えるようになったきっかけです。

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