高度のテクノロジーの発達や経済、世界や社会情勢の変化、生活や仕事、人間関係の複雑化など、さまざまなファクターの影響を受け、私たちが日常で経験するストレスも年々増大していくように感じる人も多いのではないでしょうか？さらにコロナ過を受け、孤立や貧困、高齢者の健康や認知の問題も加速化してきているように見受けられる昨今、専門知識をもったカウンセラーにサポートを求めることは、精神衛生の安定と向上をはかり、より満ち足りた生活を送るための、ひとつの積極的な手段です。
ことに、海外で生活している場合、ほとんどの人が、移住以前には知りえなかったさまざまなストレスを経験することになります。海外移住は、“profound non-normative life transition requiring extensive adaptation” (広範な適応を必要とする、重大かつ例外的な人生の転機”と捉えられ、実に移住者のおよそ30％近くがなんらかの精神的・感情的な問題に直面しているという統計もあります。
海外生活でのストレスにはどんなものがあるのでしょうか？
- 雇用や就職の問題、それに付随する経済的な問題
- ホームシック
- 文化の違いによる適応の問題、人間関係
- 孤立、サポートの欠如
- 言語に関する問題
- 人種差別
こうしてリストアップしてみると、どれも当たり前のことのように思えるかもしれません。しかし、自分が日々経験する日常の中で、これらのことは通常「なんとなく感じる違和感」のようなものとしてしか認識されないことも多いのです。またその違和感を「自分に能力がないせいで迷惑をかけた、嫌われた」「海外生活を楽しめない自分はわがままでダメな人間だ」などと、自分を責めるような解釈に変換して落ち込んだりすることも。こういったことが続けば、その他の状況的なファクターなどと相まって、精神疾患に発展してしまうケースも少なくないことも比較的容易に想像できるのではないでしょうか？
Psychotherapy （サイコセラピー、心理療法）は、カナダではかなり広く利用されているいわば準医療サービスです。州によって規制がことなりますが、オンタリオではRegulated Health Professions Act という法律により、サービス提供者の資格が定められています。
オンタリオ州で「サイコセラピスト」を名乗るには、以下のカレッジ（登録団体）に登録していなければなりません。
- College of Registered Psychotherapists of Ontario
- College of Nurses of Ontario
- College of Occupational Therapists of Ontario
- College of Physicians and Surgeons of Ontario
- College of Psychologists of Ontario
- Ontario College of Social Workers and Social Service Workers.
一方、「カウンセラー」という肩書は、(Certified / registered Clinical Counsellor などを除いて)特に資格やトレーニングがなくても名乗れるものであることに注意しましょう。もちろん優秀なカウンセラーも多くいるとは思いますが、自分の問題やニーズに合ったサービス提供者を探すうえでの一つの指針となるかと思います。
現実問題、多くのサイコセラピーは、有償サービスとして営利目的のセラピストによって提供されています。営利目的というと聞こえが悪いかもしれませんが、つまりは公的な機関によらないサービスという意味です。公的な機関が、無償または低料金でのサービスを提供している場合もありますので、まずはそいういった機関を探してみることをおすすめします。
ご自分や家族の仕事の福利厚生（ベネフィット）の一環で、サイコセラピーの料金がカバーされることもあります。また、雇用主が外部のEmploee Assistance program （ＥＡＰ）と契約して、従業員がshort-termのサイコセラピーを無料で受けられる場合も。また、旅行や学生用の保険で、サイコセラピーのサービスがカバーされる場合もあるので、サービス提供者を探す前に確認してみましょう。保険などで”registered pyshotherapy”のカバーがない場合でも、”social worker”や”registered nurse”によるサービスがカバーされていれば、そういった資格でサイコセラピー提供しているセラピストのサービスがカバーされる場合もあります。
個人のセラピーのみならず、カップルカウンセリングやファミリーカウンセリングなども広く提供されています。欧米では、夫婦やカップルの問題について、第3者であるカウンセラーに相談、問題解決のサポートを仰ぐというのもごく一般的といえるでしょう。セラピストは守秘義務がありますので、個人的な悩みなどを口外される心配もなく、友人や家族に相談するより安心で、また家族や夫婦の間で中立の立場を守りながら問題解決に導いてくれるなどの利点があります。
有償のサービスを受ける場合、とくに精神疾患などの診断の有無は問われません。保険のカバーについては、保険会社によっては医師からのrequisition や処方箋が必要な場合もあります。保険会社に問い合わせてみましょう。
サイコセラピストをさがそう
以下のリンクから、サービス提供者を探すことができます。現在では、対面でのサービスに加え、電話やビデオコールでのサービスも提供されています。他にも多くのリスティングサービスがオンラインで提供されています。
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