突如思い出しました。カナダに海外移住後、ソーシャルワーカーとして働きだしてから、ずっと同じくカナダに在住の永住者の皆さんにお教えしたかったこと。みなさん、更新でいらなくなった日本のパスポート、捨てないでとっておきましょう!将来、カナダの老齢年金 old age security受給申請の際に、必要になる場合があります。
ころっち。カナダ、オンタリオ州在住。現地の大学院をでて、英語onlyの環境で15年以上、医療ソーシャルワーカーとして働いています。
Old Age Sacurityって何?
カナダの公的年金は、大きく分けて二つあります。一つはCanada Pension Plan (CPP)。これは、給与または自営業の収入から決まった割合を保険料として納入し、将来退職後に個人の納入料・期間に応じた額を月々受け取るものです。これは、就労経験・保険料納入履歴がないと、受給資格は発生しません。ちなみに、少額かつ受給資格審査が厳しいですが、CPPには障がい者年金もあります。
もう一つが、Old Age Security(OAS)です。この年金は、カナダ市民権保持者または永住者であり、かつ18歳に達してからのカナダ国内での居住歴が最低10年あることが受給資格となっています。また、受給できる金額も、居住期間の長さによって変わってきます。満額を受けるには居住歴40年が必要ですが、居住年数が10年から40年の間の場合は、「満額x年数x40分の1」で金額が計算されます。2020年では、OASの満額は$613.53となっています。また、OASにはGuarunteed Income Supplement (GIS)という、補完的な給付金制度もあり、たとえば独身のOAS受給者が他に何の年金や所得もない場合には、最高額で月額$916.38受け取ることができます。(OAS が満額でない場合は、GIS の最高額はそれに応じてもう少し高くなります)
OAS申請に古いパスポートが必要な理由
したがって、Old Age Securityの受給申請にあたっては、居住年数の証明が必要となります。カナダには戸籍・住民票がないので、基本的にはこれは自己申告になるのですが、その証明としてパスポートのコピーなどを提出するよう求められます。また、永住権取得後、6か月以上まとまった期間カナダ国外に滞在した場合、その期間はOASの計算上は居住歴としてはカウントされません。
カナダの公的年金制度については、またおいおい詳しくご紹介していきます。とりあえず、更新後、いらなくなったパスポート、捨てないでとっておきましょう!ただし、もう捨てちゃったよ、という方も、ちょっとエクストラで時間はかかりますが、カナダの出入国履歴を照会してもらうという手段もあるので、心配しないでくださいね。
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