アメリカはもとより、カナダでも、COVID1-19第二波の勢いは衰える様子がありません。オンタリオ全域が26日からロックダウンにはいり、この先いつになったら「正常」に戻るのか、いったい「正常」に戻るときがいつか来るのか、といった人々の不安感も少しづつ増してくるように感じられます。
連邦政府レベルで国税調査をはじめ経済・資源・文化など様々な領域での統計業務を取り扱うStatistics Canadaが、「カナダにおけるコロナ禍と生活満足度」問い題したレポートをリリースしたのでかいつまんでご紹介します。
このレポートは、パンデミック以前の2018年に行われた調査2018 Canadian Community Health Survey (CCHS)と、2020年6月に実施されたCanadian Perspectives Survey Series (CPSS) surveyを比較・研究した結果を報告しています。
これらの調査では、調査対象者に、生活満足度を0(非常に不満)から10(非常に満足)の数字で表してもらい、年齢・性別・immigration status(移民かそうでないか)などの属性に照らして数字の分布を研究しています。
一般的に、2018年のパンデミック以前では、抽出されたサンプルの平均は8.09と非常に高い数値でした。これが、パンデミック中の2020年6月の調査では、平均6.71に落ち込んでいます。
年齢別での比較
15-29歳、30-59歳、60歳以上の年齢別にみると、パンデミック以前では、中間層の30-59歳が他の年齢層にくらべやや生活満足度が低めであるものの、ほぼ横並びでした。これが、パンデミック開始後の調査では、満足度の落ち込みが一番顕著であったのは15-29歳の若年層、反対に落ち込みの度合いが比較的低かったのは60歳以上の高齢者層でした。
immigration statusでの比較
カナダ生まれ、アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアおよびニュージーランドからの移民、アジアからの移民、その他の地域からの移民の4グループについて生活満足度の推移を比較した結果も紹介されています。パンデミック以前の2018年度の調査では4グループがほぼ横並びであったのに対し、生活満足度の落ち込みがもっとも顕著であったのはアジアからの移民のグループで、平均1.82ポイントの低下となりました。これは、他のグループ、特にカナダ生まれのグループにくらべて、落ち込みの度合いが非常に顕著であった(1.3ポイとの差)と報告されています。また、安全を脅かすものとして社会の中での嫌悪・差別の対象になるのではないかと不安感を訴えた調査対象者はアジア人移民では41%に上り、カナダ生まれのグループの17%に比べて明らかに高い割合となりました。
source: Stat Can COVID-19
コメント