海外生活でくじけそうになった時、思い出してほしいこと。

ころっち。カナダ、オンタリオ州在住。現地の大学院をでて、英語onlyの環境で15年以上、医療ソーシャルワーカーとして働いています。

日本で暮らしていてもそうですが、海外で暮らしていれば、時にはくじけそうになることもありますよね。日本にいれば、日本語だったらこんな苦労しなくても済むのに・・・などと感じてしまうことで、さらに気分が落ち込んでしまうものです。そんな時に、読んでもらえたらいいなと思いながらこれを書いています。

あなたは、すごいことをやっているのだ

海外在住のみなさん。まず、本当に、毎日、お疲れ様です!カナダ生活、私もそろそろ24年になります。年月とともに、日々の生活は確実に楽にはなりました。言葉の壁も、ほとんど感じないようになりました。けれど。やっぱり、時々、あるのです。これって差別されているの?と感じてしまうとき。言いたいことがきちんと言葉にできず、もどかしさのような、恥ずかしさのような感情を引きずってしまう時。海外生活において、多文化・多言語で生活するというのは、本当に、大変なことなのです。

だから、忘れないでください。あなたは、すごいことをやっているんですよ。

多面的なものの見方ができるようになっている

海外に住み、暮らしていくうちに、日本の生活や日本的な考え方、制度などが、日本の外では当たり前でないことに気づいていきます。日本の社会や制度についても、外から眺めることで、今まで見えなかったものが見えてきます。

日本の家族や友人にそれを説明しても、残念ながらわかってもらえないこともあります。言い方に気を付けないと、「外国かぶれ」と言われてしまうこともあります。そんなつもりはないのに、ただ自分の発見を共有したかっただけなのに、と悲しい気持ちになってしまうことも時にはあるでしょう。

けれど。それは、多文化で、多言語で生活したことのない人には絶対にわからないこと、というのが実在しているということの証明に他ならない、とは言えないでしょうか?文化のはざまにいる人間にしか見えない景色がある、ということを知れただけでも、海外移住をした意味があったと私は考えています。

この視点は、ソーシャルワークとかカウンセリングの仕事をするのにはとても大切な視点です。私の現実とあなたの現実は違うということを、経験をもって認識しうけいれる。そのうえで、相手のことを理解しようと想像力を働かせる。この姿勢がなくしては、他人のサポートなどできないからです。

精神的に強くなった

これは、単に年齢を重ねて図々しく、あるいはただ単にオバサンになっただけなのかもしれませんが、この20年間で、確実に精神的に強くなったと思います。海外で、頼れる人間も夫くらいしかいない、その夫とも日本語では話せない、という状況で、学校に行き、仕事をし、子供を育て、ボランティアなどもしてきました。このように書くと順風満帆、すべてうまくこなしてきたように聞こえるかもしれませんが、悔し涙を流したことも、自信を無くして鬱になりかかったこともあります。人間関係がうまくいかず、緊張の連続で、ぐったり疲れて夫に当たり散らしたことも数えきれません。

ですが、数年の海外生活の中で、私は確実に強くなりました。いまでは、英語が多少間違っていようと、全く気にせずに会議でも発言しますし、ちょっとくらい嫌味を言われても、簡単には凹まないようにもなりました。自己肯定感も増したと実感しています。子供のころは、なんとなく自信のない子供で、欲しいものをはっきりと欲しいと言えないようなところがあったのですが、そういう部分を改善することができ、そのせいか素直に幸福感を感じることができるようになりました。

どこにいても生きていける逞しさが手に入った

70年代初め、まだ日本が高度成長期の真っ只中に会った時代に生まれた私は、なんの心配もなく、ごく普通に、幸せに育ちました。

ですが、世の中は変わりました。経済不安や政治不安、自然災害やコロナ禍。これから私たちの生活がどうなるのか、また世界や地球がどうなるのか、予測がつかない部分が年々拡大していくように思えます。

海外にいることで私が強く思うのは、不変なものなんてないんだよな、ということ。病気や失業、自然災害や気候の変動などで、私たちの生活は、変わらざるを得ないのです。ですが、実際にそういった危機に瀕したら、たぶん一時的には絶望したり泣いたりするのでしょう。それでも、時とともにその変化を受け入れ、たちあっがって生きてくであろう自分を、今は信じることができるようになりました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました