カナダで就職するために知っておきたいこと

カナダ
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ころっち。カナダ、オンタリオ州在住。現地の大学院をでて、英語onlyの環境で15年以上、医療ソーシャルワーカーとして働いています。

結婚・2度の出産を経験しつつ、ずっとカナダで仕事をしています。

また、カナダに移住する前は、4年間日本の企業で働いていました。

今回は、その経験や今まで見聞きした話などをもとに、カナダの仕事事情で「日本と違う・・」と感じてきたことをご紹介してみようとおもいます。

学歴とコネは重要

職種やご業種にももちろんよりますが、日本よりも「学歴」が重視される傾向にあります。

カナダの企業は、4月入社の新卒をいっぺんに採用するということはなく、ポジションが空けばそこに適任者を採用するという場合がほとんどです。

そのポジションの職務を遂行するのに必要な学歴・知識、実際のスキルセット、そして経験などを総合的にみて採用されますが、常に求められるのは「即戦力」。

企業や雇用主が、「社員教育を通じて人材を育てる」というような感覚はほとんどないと言っていいでしょう。

そして、コネ。公平そうにみえるのに、と意外に思われるかもしれませんが、カナダは、はっきりいってコネ社会です。

コネについては、もちろん表向きには「コネ」だけで仕事が見つかるということにはなってはいません。

とくに大企業や公共性の高い雇用主・団体の場合、表採用プロセスの透明性や公正性が求められます。

しかし現実的には、多くのポジションは、公的に募集が公表される以前に事実上きまってしまっていたり、また公募のプロセスを経ずに紹介等でポジションが埋められてしまうことが多々あるとされています。

公募されないポジション、hidden job(隠れた求人)は、なんと全体の求人の80% とも85%とも言われています!

実際、今の職場でも、欠員があるので、「だれかいい人がいたら紹介してくれ」と上司に言われているところです。

ネットワーキング

カナダに親兄弟、親戚のいない新移住者である我々はどうやって仕事を見つければいいのでしょうか?

コネづくり、ネットワーキングを、自分で始めればいいのです。

カナダでのネットワーキングは、日本のいわゆる「縁故」よりももっと流動的なイメージです。

なければ作る。これにつきます。

例えば大学の先輩、教授などを頼りに、興味のある分野で働いている知人を紹介してもらい、実際にコンタクトして話をききます(SNSでのフォロワーを獲得していくプロセスと似たイメージ)。

そしてその人に、また次の人を紹介してもらうのです。

そうやって知り合った人との連絡を絶やさないために、またさらにネットワークを広げるのに訳に立つのがLinkedIn (リンクトイン) というキャリアフォーカスのソーシャルメディア(SNS)です。

ぜひアカウントを作ってみましょう。たいてい皆本名で登録しているので、名前で知人をサーチすることも可能です。

学歴が給与に直結するとは限らない

先に書いたことと矛盾すると思われるかもしれませんが、学士号・修士号などを修得しても、それがかならずしも高収入に結びつくとはかぎりません。

平均収入は、もちろんその分野によってまちまち。

また、学士などを必要としない、いわゆる手に職をつけたskilled workerのほうが、自分で起業したりして高収入を得ていることが多いのも最近の風潮でしょう。

このため、大学を卒業した後、electrician (電気工事士)やplummet (配管工)になるために、専門学校(community college)に通いなおす人も最近では少なくないようです。

また、公共交通機関など、昔からの組合の力が強い団体の職員はかなりの高収入を受け取っていることも。

もちろん経験も大切

もちろん、学歴や知識だけでなく、経験も大変重要視されます。

先に書いたように、新卒の一斉採用というのがない上に、即戦力がもとめられるので、特に最初の仕事を見つけるのに皆苦労します。

仕事をしながらオンラインや夜間の大学院などで勉強を続けるひとも多い

雇用主側も、そのポジションに見合ったワークショップなど内部でのトレーニングを行ったり、外部の研修費用を支給したりする制度を提供したりすることもあります。

ですが基本的に、キャリアアップのための勉強は、個人がそれぞれ自発的に外部の教育機関を通じて行うことが多いでしょう。

たとえばビジネスのエリアならMBAなど、フルタイムの仕事をこなしながら、パートタイムやオンラインのプログラムを受講して取得する人が少なからずいます。

わたしの知り合いにも、仕事・家事・育児をこなしながらMBAなどの修士プログラムで勉強している人が何人もいます。

キャリア志向の場合は、さらなる勉強と経験のバランスをうまくとりながら少しづつ階段を上っていく姿勢が必要となります。

ある程度の転職の数は、ポジティブに受け止められる

キャリアアップをしていくにあたって、たいていの人は転職を経験します。

一般的に、同じ会社・ポジションにあまり長くとどまっていると、その後の転職に不利になるといわれています。

あまり頻繁に転職を繰り返しているとそれはそれで問題視される場合もありますが、本当にやりたいポジション・職務・管理職につくまでは、通常は同じ業種のなかで、5年前後のスパンで転職してキャリアアップを計っていくというのがいいとされています。

また、転職する際には、面接を無事にクリアすると、最後にリファレンスチェックというプロセスがあります。

これは、新しい雇用主が、あなたの前職の上司などに直接連絡をとり、仕事ぶりや人間性などについての質問をしたり、履歴書の内容を確認したりするステップです。

通常リファレンスは3件程度要求されることが多いので、前職だけでは足りません。

10年も15年も同じ場所で働いていると、あなたのことを覚えてくれているレファレンス先を確保するのも難しくなってしまうという面もあります。

もちろん、その職場・ポジションが自分にあっていれば無理に動く必要はありませんし、ずっと動かない人もいます。

また、もちろん、同じ会社の中で、管理職のポストにプロモーションされる場合もあります。

今の仕事が自分に合っているか、働きかた、待遇面なや将来のプロモーションの可能性など、家族や同業の友人、先輩などに相談しながら、自分なりのキャリアパスを描いていくことが必要です。

いかがでしたか?今度はネットワーキングのやり方や履歴書の書き方などについてももっと詳しくご紹介していきたいとおもいます。また是非当ブログにお立ちよりくださいね!

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