海外旅行や語学留学だけでなく、ボランティアを通じて現地の人たちとの交流を深めたいと思っている人は少なくないのではないでしょうか。現地にすでに滞在しているのなら、ボランティアは、無料で体験でき、言語のスキルアップにも本当に効果的なうえ、しかも人の役に立つ活動といえます。
語学留学中も、語学学校で他国の生徒と英語で話せるようになってくると、だんだんそれでは物足りなくなってきます。語学留学生以外の人との会話から、生きた英語を学びたい!と思うようになることが多いですが、待っているだけではなかなかそういった機会は得られないのが現実。マンネリや英語習得の停滞期から抜け出して経験や視野を広げるためにも、ぜひボランティアに挑戦してみましょう!エージェンシー等に代行を頼まず、自分で探してみることを是非お勧めします。なんといっても無料ですし、自分でいろんなところへ問い合わせて機会をさがすことも、良い勉強・経験になります。
ただ、コロナ禍の影響で、in-person 、すなわち対面でのボランティアの機会は残念ながら大幅に減少しています。ですが、フードバンクなどessential serviceの現場では、おもにワクチン接種完了者に絞って、まだまだボランティアの募集を続けているようです。 また、ビデオ通話や電話をつかったリモートでのボランティアの機会は以前より増大しているといえます。
海外で、英語を勉強しながら、ボランティア活動をしてみたいけど・・・どこから始めたらいいの?
私の場合は、語学留学中に、ボランティアにトライしてみました。でも、今はいろんな方法がありそうですね。
昨今は、ボランティア体験を含めた渡航パッケージなどもありますが、すでに滞在中の方、もしくは、これから語学留学やワーキングホリデーを利用して渡航を考えている方は、ボランティアをしたい場合、現地で自分で探すことになるでしょう。個人的には、お金を払ってボランティアをコーディネートしてもらう、というのは、そもそも根本的な考え方からしてしっくりきません。きちんとした慈善団体、あるいは政府等のプログラムでない限り、業者は、あくまで営利目的でパッケージを組んでいると考えたほうがいいでしょう。ボランティアというのは、そもそも、無料でできるはずのものなのです。
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ボランティアをするのにワークビザは必要?
ご存知のように、無報酬で奉仕・労働することがボランティア。それなのに、ワークビザが必要なの?と思われるのではないでしょうか?
永住権もしくは市民権、もしくはワーキングホリデービザがある場合には、もちろん報酬の有り無しにかかわらず働くことは自由です。ですが、その他の一時滞在者がボランティアに従事する際、ワークビザが必要になるケースがあるんです。
カナダ連邦政府のサイトによると、次のどちらかの条件を満たす場合、そのアクティビティがワークパミットを必要とする”work” みなされます。
1.給与もしくは歩合給が発生するアクティビティ
2.カナダ市民もしくは永住権保持者の雇用機会と直接競合するアクティビティ
たとえば: 老人ホームでの介護 通常、介護士が行う介護は、給与が発生する労働=workとなります。ワークパミットを持たない短期滞在者が介護のボラティアをすることで、介護士の雇用機会が失われると考えられる。
ワークパミットなしでできるボランティアの種類
ですが、学生ビザやビジタービザで滞在中の人も、ボランティアができないわけではもちろんありません。
では、どんな条件に気を付けてボランティアを選べばよいのでしょうか?
それはずばり、「一般的に、報酬が発生しないタイプの活動」です。例えば、同じ老人ホームでの活動であっても、「ビンゴナイト」や「ベークセール」の手伝いや、フレンドリービジターとしての活動などは、通常無償でボランティアが担うのが一般的です。こういった活動に従事する場合には、ワークパミットは必要ありません。つまり、ビジタービザや学生ビザでの滞在中も、トライ可能なのです。
たとえば:
- フードバンク:倉庫の整理、利用者の登録、利用者の家族構成などに応じた食料品のピッキング、食料品を運ぶ手伝いなど (Daily Bread Food Bank, The Mississagua Food Bankなど)
- 教会などのバザーの手伝い
- アニマル・シェルターや図書館など公的機関での手伝い
- Distress Line やkids help phone でのカウンセリング などなど・・・
ボランティアの機会はどうやって探す?
では、実際に、どうやってボランティアの機会を探せばいいのでしょうか?
ボランティアってどうやって探せばいいのかしら?
いろいろな方法がありますよ。いくつか例をみてみましょう。
1.知り合いからの紹介
なんだかんだいっても、口コミや紹介が一番確実にチャンスをゲットする近道でしょう。学校の先生、友人、ホストファミリーや大家さん、チューター、などなど、知り合いのカナダ人、またはカナダでの居住歴の長い知り合いに、ボランティアの機会がないか聞いてみましょう。信頼できる人の紹介=信用できる人物、という風にみてもらえますし、あらかじめ紹介者を通じて活動内容なども質問することができる場合もあるでしょう。また、紹介者の顔をたてるため、先方もよりきちんとあなたの申し込みに対応してくれる可能性が大きくなると考えられます。
2.ボランティアセンターを利用する
ボランティアセンターの役割は、地域によって多少異なるようですが、ボランティアの探し方、どんなボランティアの種類があるのか、どんなボランティアであれば自分の経験やスキルが活かせるのか、また、自分の将来の目標を実現するためにどんなボランティア経験が役立つのかなど、個別のカウンセリングをしてもらえます。ボランティアとしてのスキルアップのためのセミナーやワークショップなども、有料または無料で受講できる場合も、また、もちろんその地域のボランティアの求人情報もセンターから得ることができます。
Volunteer Toronto ― オンタリオ州トロント市のボランティアセンター
3.求人サイトやクラシファイド、コミュニティ情報サイトなどを利用して募集を検索、応募する
カナダで慈善団体の情報を得るなら、おすすめはCharity Village 。ボランティアに限らず、慈善団体・NPOの求人情報や様々な情報・リソースが盛り込まれたサイトです。もちろん、ボランティアの求人リストも。また、求人サイトのIndeedなどにも、ボランティア・ポジションが掲載されている場合も。ぜひ検索してみましょう。
4.目ぼしい慈善団体、コミュニティセンター、老人ホーム、日系NPO などに直接アプローチする
よく知られている慈善団体のサイトをのぞいてみましょう。たとえば、Salvation ArmyやRed Cross、YMCAなどは日本でもなじみがあるのではないでしょうか。これらの団体はいたるところに支部やオフィスがありますが、ロケーションによってサービス内容もちがったりします。Salvation Army はフードバンクを併設していることろも。
また、まずは滞在地域の日系団体などにアプローチしてみることもおすすめです。日本語力を活かしたボランティアの機会がみつかることも。
覚えておきたいこと
オンタリオ州では、高校卒業のための条件のひとつとして、4年間を通じて40時間以上のボランティア活動(community involvmeet hours)が義務付けられています。このため、高校生、18歳以下でも従事可能なボランティアのポジションは、競争が高いといえるでしょう。
ボランティアであっても、保証人、照会先の提示を求められることが大変多いものです。あなたの働きぶりや人柄、責任感をもって仕事をやりとげるか、などについて、担当者が電話で実際に確認します(referenceとといいます)。通常は、以前のボランティア先のコーディネーターか、または仕事上の上司などが適当ですが、はじめてのボランティアでは、もちろんそんな人はいない!という場合もあるでしょう。その場合は、たとえば語学学校の先生や大家さん、ホストファミリーなど、知っている人にお願いしてみましょう。ちなみに、reference の名前や連絡先情報を先方に提示する前に、必ず本人に事情を話して承諾を得ることを忘れないでくださいね。
福祉分野での専門を活かすなら
社会福祉、医療、心理関連の知識や学位、経験があり、かつ英語にも自信があるなら、Distress Centre やKids Help Phoneなど、電話でのカウンセリングをボランティアに頼っている機関でのボランティアに挑戦してみるのもよいでしょう。責任の大きい仕事ですが、トレーニングもきちんとしているので、将来仕事を探す際にもプラスになること間違いなしです。
在宅での終末医療をサポートする、コミュニティホスピスも、各地域にあり、常時ボランティアを募集しています。Hospice Toronto
また、そこまでの専門性はない、という方も、主にシニアを訪問して話し相手を務めるフレンドリービジターのボランティアにトライしてみては?多くのNPOや市のプログラムなどで、機会を見つけることができますよ。ただし、コロナ禍のおり、多くのフレンドリービジタープログラムは、電話やビデオ通話をつかったバーチャルサービスに切り替わっていますので、注意が必要です。
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