日本人同士の会話だと、お互いに謙遜しあうのって普通ですよね。では、カナダで英語で会話しているときはどうでしょうか?よく、英語には「謙遜表現はない」と書いている記事などを見かけます。日本語のように、「謙遜語」というものは存在しませんし、他の記事で書いたように「アサーティブ」であることが大切なので、謙遜はしない、という見方も確かにまちがってはいないと思います。ですが、日々の会話を良ーく聞いてみてください。日本語・日本人のとはちょっと違った形で謙遜の表現をしていることに気づきませんか?
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英語での、適度な「謙遜」の姿勢を示す表現
人をほめる
フレンドリーで礼儀正しい人は、相手の意見やコメントに、まずは誉め言葉で答えます。Awesome! That is amazing! I am impressed!・・・などなど、英語では同意・賞賛の意をさらっと伝える言い回しが豊富。そのあとなら、反対意見や別の案などを提案しても、相手に反感を持たれにくいですよね。後から反対意見がくるな・・・とわかっていても、まず褒められてしまうと、どうしてもガードがさがります。ただし、心からの、偽りのない気持ちで言わないと薄っぺらに聞こえます。基本は、一部分でも本当に良いところがあれば、まずはそれを認めようとい う謙虚な姿勢があることが大事。
what’s up の答え方に見える「謙遜」
What’s up ? のあいさつは、広く知られていますよね。「最近どう?」くらいのカジュアルな挨拶ですが、こう聞かれたらなんて答えたらいいかご存知ですか?こう聞かれたら、まずは、
Nothing much、あるいは not much
と答えるのがお約束。「別に何も大したことはないよ」とでも訳せばいいでしょうか。この後に、「いやあでもこの間新しい彼女ができてね・・・」などと普通の近況報告を付け足したりもするので、いわば形だけの謙遜ですね。でも、そういう感覚があるというのを改めて考えてみると、英語でのコミュニケーションの仕方も、すこし違って見えてきませんか?
謙遜の表現
そのほかにも、意外に、謙遜あるいは謙譲と思える表現は英語にもあるものです。
welcome to my modest home!
ささやかなわが家へようこそ! 日本では、狭くもちらかってもいないのに家にに招かれて、「狭いところですみません、ちらかっていてすみません」と言われることってありますよね。それでも、謙遜しているのだな、と、別に気にもとめないでしょう。しかし、英語でこれを直訳でやると、「え?なにが?」とききかされること請け合いです。かわりに、このフレーズを使ってみてください。
a little something
贈り物やお土産を渡すときによく使われる表現です。「たいしたものじゃないけど」というニュアンスは、意外にも日本語の「つまらないものですが・・」に通じるところがあるではありませんか!By the way I brought a little something for you, hope you like it..で、「ところで、たいしたものじゃないけど君にお土産もってきたんだ、気に入ってくれるといいんだけど」のように使います。
I guess I got lucky this time!
今回は幸運だったよ。なにかのコンテストで優勝したとか、テストで一番だったとか、試合に勝ったとか、とにかく何かの結果を出して誉め言葉をもらった時に言うセリフ。特に、競い合って接戦の上負かした相手に、賞賛の言葉をもらった時に使いましょう。的ながらあっぱれ、と相手を認めるニュアンスを含んでいます。ドヤ顔で言うと、逆に嫌味に聞こえてしまうかも??
I am comfortable financially, but not rich.
お金持ちが謙遜して言うセリフ。不自由はしていないけど、特に裕福ってわけではないよ。こういう人は、たいてい裕福な気がします・・・。
謙遜すると引かれる場面
家族のことを謙遜しすぎるのは不自然
「うちの子は出来が悪くて」「息子はホントに何にもできなくてこまっちゃう」「うちの旦那ったら何も手伝ってくれなくて」などと、どうも家族を巻き込んだ自虐コメントを口にしたくなってしまう筆者。ですが、これを、特に、あまり親しくない人、顔見知り程度の人、新しく知り合った人・・要は、親密な付き合いのある友人以外の人に言ってしまうと、通常大変怪訝な顔をされます。というのは、ふつうはみな自分の家族のことを話すときも、家族の良いところを話すのが基本だからです。あからさまな自慢話ばかりしている人もやはり嫌われてしまうこともありますが、ふつうは鼻につかない程度に、ちょっぴり自慢をしておくのがお約束。どうしても家族の自虐ネタを話題にしたいときは、あきらかに冗談とわかる言い方をしておきましょう。
褒められたら素直にお礼を言ったほうが自然
おめでとう!すごいわね!なんて日本語でいわれると、「いやいや、それほどでも・・」とついて首を横に振ってしまいたくなりませんか?ですが、一言目で、Oh, no no …..と顔の前で手を振ったりするのは、辞めておいたほうが無難です。せっかくほめてくれたのですから、まずは素直にthank youと言っておきましょう。上記に書いたように、場合によっては Well, I was lucky too、と付け足しても大丈夫ですが、あまり執拗に「いや、あれは〇〇さんの頑張りのお陰なんだよ」などと謙遜すると、謙遜とはわかってもらえず「あれ、そうだったの?」などと額面どおり受け取られてしまうことも多いです。ご注意を!
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